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TEL.0956-82-3121

〒859-3615 長崎県東彼杵郡川棚町下組郷2005番地1

治験に興味のある一般の方へ

  • 治験とは?

    私たちは病気になると「くすり」を飲みます。
    現在みなさんが使っていらっしゃる「くすり」はすべて国(厚生労働省)から「医薬品」として認められています。
    ではどのようにして新しい「くすり」が誕生するのかその仕組みについて見ていきましょう。
    新しい「くすり」が患者さんに使われるようになるまでには、次のようなステップを踏みます。 

    @「くすりのたまご」の発見
    製薬企業等の研究室で化学的に合成されたり、天然に存在している物質から抽出された何百何千という化合物の中から、試験管などを用いた実験により、病気に効果があり、人に使用しても安全と予測される「くすりのたまご」を選び出します。

    A「くすりのたまご」から「くすりの候補」への絞込み
    動物を使って、「くすりのたまご」の有効性(効き目・効果)と安全性(副作用の種類・程度)を詳しく調べ「くすり」になりそうだと見込まれるものだけが「くすりの候補」となります。

    B「くすりの候補」の安全性の試験
    次に「くすりの候補」を健康な方に使用して頂き「副作用はあるのか、あるならばどのくらい起こるのか」や「お薬がどのくらい体内に吸収され、どのくらいの時間で対外に排出されるのか」などを調べる試験をします。

    C「くすりの候補」の効果や安全性の試験
    今度は「くすりの候補」を患者さんに使用してもらい、「本当に病気を治す効果があるのか」、「どのような効き方をするのか、副作用は許される範囲か」、「どの程度の量をどのように使えばよいのか」などを調べる試験をします。

    D「くすりの候補」の試験結果を申請
    病気を治す効果があり副作用が許される範囲であることが確認されれば、これまで行われた試験の結果をすべてまとめて厚生労働省に提出します。

    E「くすりの候補」から「医薬品」へ
    厚生労働省で充分な審議が行われ、患者さんの病気を治すために必要であると認められたものだけが、「医薬品」として認められます。

    このように 「くすりの候補」が「医薬品」として国から承認されるために、さまざまな研究が行われますが、B、Cの健常な方や患者さんにご協力いただき「くすりの候補」の有効性と安全性を確認するために行われる研究を「治験(ちけん)」といいます。
    例えば、動物では効果があっても人にはそれほど効かなかったり、動物では安全なのに人では副作用が生じるといったことがあります。
    新しい「医薬品」を多くの患者さんの病気の治療に役立てることができるようになるまでには、「治験」を行い、人における有効性と安全性を確かめなくてはなりません。

  • 新薬が誕生するまで

    @植物や鉱物など天然のものから見つけて合成したり、バイオテクノロジーや遺伝子技術を利用して創ります。
    通常、基礎研究では2〜3年かかります。くすりの候補物質を見つける研究です。

    A効果があるか、安全性はどうか、体に影響が出るかなど沢山のことを調査するために、細胞、マウスやウサギなどを使った動物実験に入ります。
    通常、非臨床試験は3〜5年かかります。効果と安全性を人以外で調べる研究です。

    B効果と安全性を確認する最終段階。動物実験で効果と安全性が確認されたものだけが「新しいくすりの候補」となりヒトによる臨床試験に入ります。
    これからが『治験』ということになります。通常、臨床試験は3〜7年かかります。実際に患者さんに役立つかどうかを調べる研究です。

    治験には、次の3つのステップがあります。

    @第一段階(第T相)
    少数の健康な人を対象に、安全性などの確認試験

    A第二段階(第U相)
    少数の患者さんを対象に、どのくらいの量をどんな方法で使えばいいのかを調べる試験

    B第三段階(第V相)
    たくさんの患者さんを対象に、効果や安全性を調べる試験

    治験を繰り返し行って、効果と安全性が確認されたものだけが厚生労働省に承認され、新薬が誕生します。

  • プラセボとは?

    プラセボとは、有効成分を含まない(治療効果のない)薬のことです。
    病気のとき、"薬を飲んだだけで安心した・・・"という経験はありませんか?
    有効成分が入っていない薬を飲んでも、薬を飲んだと思うだけで心理的作用が働き、効果を表すということがあります。これを『プラセボ効果』と言います。

    治験でプラセボはどのような役割をしているのでしょう?
    全く効果のない薬(プラセボ)と比較することは、治験薬の有効性を科学的に明らかにするために必要なことです。
    何を飲んでいるかわかっていると、心理的なものが影響し、正確なデータを取ることが難しくなります。
    そのため、プラセボを用いた治験に参加している時は薬の成分を含んだ治験薬と、成分を含んでないプラセボは、外見上全く見分けがつかないようになっています。
    また、誰が薬の成分を含んだ治験薬を服用しているか、誰がプラセボを服用しているか、治験に参加して頂いている患者さんも、担当している医師、薬剤師、看護師もわからないようになっています。

  • 治験のルール

    [ 治験を実施するためのルール ]

    治験は人を対象にしているため、患者さんの人権や安全性を守り、また科学的に適正に実施されなければなりません。治験を行う製薬会社、病院、医師などは「薬事法」というくすり全般に関する法律と、これに基づいて国が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(=GCP[Good Clinical Practiceの略])という規則を守らなければなりません。この規則は欧米諸国をはじめ国際的に認められています。

    [ 法律・GCPで定められているルール ]

    <治験の内容を国に届け出ること>
    製薬会社は、治験を担当する医師が合意した「治験実施計画書」(「くすりの候補」の服薬量、回数、検査内容・時期などが記載された文書)を厚生労働省に届け出ます。厚生労働省は、この内容を調査し、問題があれば変更等の指示を出します。

    <治験を行う病院は条件を備えていること>
    充分な医療設備が整っており、責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師等が揃っていて緊急の場合には直ちに必要な治療、処置がとれるようになっていなければなりません。

    <治験審査委員会で治験の内容を予め審査すること>
    治験の依頼を受けた病院は、独立の委員会(治験審査委員会と呼ばれます)を設け、「治験実施計画書」が、治験に参加される患者さんの人権と福祉を守って「くすりの候補」の持つ効果を科学的に調べられる計画になっているか、治験を行う医師は適切か、参加される患者さんに治験の内容を正しく説明するようになっているかなどを審査します。
    治験審査委員会には、医療を専門としない者と病院と利害関係がない者が必ず参加します。
    病院は、この委員会の承認と病院長の了承を得てからでなければ治験を開始できません。また、この委員会は治験開始後も、治験中に起こった副作用などについて報告を受け、治験を継続して行ってよいか否かについても審査します。

    <同意が得られた患者さんのみに治験に参加して頂くこと>
    治験を行う医師は、治験を開始する前に、治験に参加して頂きたい方に、治験の目的、方法、期待される効果、予測される副作用などの不利益、治験に参加されない場合の治療法などを文書で説明し、文書による患者さんの同意を得なければなりません。

    <重大な副作用は国に報告すること>
    治験に参加された方に重い副作用がもし起きた時は、病院から直ちに製薬会社に連絡され国に報告されます。また、治験に関連して副作用がおきたり健康を害されたような場合は、必要な治療と適切な補償が行われます。

    <製薬会社は、治験が適正に行われていることを確認すること>
    治験を依頼した製薬会社の担当者(モニター)は、治験の進行を調査して、「治験実施計画書」やGCPの規則を守って適正に治験が行われていることを確認します。

  • 治験Q&A   

    Q.治験薬は使用しても大丈夫ですか?

    A.治験薬の場合、治験に至るまでには、動物実験を繰り返して、安全性を確認します。また、治験の第T 相試験では、健康成人による安全性確認(例えば、投与量を増やしていき、最大安全用量を調べたりします。)が行われています。これらの試験によって、毒性が強い薬剤や副作用の起こる薬剤が治験薬として残る確率はかなり小さくなります。 しかし、それでも実際の患者さんに投与した場合では、患者さんの健康状態や体質や体力が健常人と大きく異なるため、それによって副作用が発現する可能性はあり得るのです。
    また、妊婦、胎児への影響も確立されていないため、治験中は必ず避妊が必要です。治験によっては、内服開始前に 妊娠検査を行い妊娠の有無を確認することがあります。

    副作用の発現を少なくするためには
     1.担当医師の指示通りに正しく内服すること
     2.いつもと違う感じがあればすぐ担当医師、治験コーディネーターに伝えること
     3.薬でアレルギーの経験がある場合は事前に伝えておくこと
    そうすることで、副作用を未然に防いだり、適切な処置を早めに受けることができます。

    Q.治験に参加すると費用はどれくらいかかるのですか?

    A.治験薬を使用している期間の検査、画像の費用や、一部の薬の費用は治験を依頼している製薬会社が負担します。しかし初診料やその後の診察費などについては通常の診察と同様に患者さんの負担になります。
    その他、通院のための交通費等を軽減する目的で、負担軽減費を一定の範囲でお支払いしています。

    Q.治験をすすめられたのですが、あまり気が進まないので参加したくないのですが

    A.治験に参加するか否かは、患者さん本人の自由意志に委ねられています。治験に関する詳しい説明を聞いた後に、ご自分で決めて下さい。一旦治験への参加を同意された後でも、ご自分の意志でいつでも取りやめることができます。
    治験への参加を断ったり、治験を途中でやめたからといって、その後の治療や診察において何ら不利益を受けることはありません。何か不安を感じられた場合には、医師や治験コーディネーターにご相談下さい。

    Q.なぜ、先生は私を治験に参加しませんかと誘うのでしょうか?

    A.治験には、研究的、試験的側面がありますので、患者さんの安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められます。
    治験計画書には、治験に参加できる患者さんの基準が厳密に決められているため、誰もが参加できるわけではありません。主治医や担当医師は、基準に合致する患者さんに治験薬の情報を提供し、その中で協力して頂ける患者さんだけに参加をお願いしています。
    治験への参加は、目的や内容、予想される効果や副作用について十分に説明を受け、よく理解したうえで、患者さん本人の自由な意志で参加するか否かを決めてください。主治医や担当医に遠慮する必要はありません。

  • プライバシー保護

    治験に参加された患者さんの結果は、治験薬を開発している製薬会社に報告します。また、最終的には全ての治験に参加された患者さんの結果がまとめられ、治験薬の承認申請のために厚生労働省に提出されます。しかし、参加された患者さんの氏名、住所など個人を特定できるような情報は一切公表いたしませんので、プライバシーは守られます。

    厚生労働省や製薬会社の開発担当員が治験に参加された患者さんのカルテ(医療記録)を見ることがあります。(直接閲覧:きちんと規則に沿って治験が行われているかの確認のため) この時も患者さんのプライバシーは守られ、個人情報が公表されることは一切ありません。

  • 治験に参加するメリット・デメリット

    治験への参加は、患者さんの自由意志です。

    治験を担当する医師から患者さんへ、治験に参加して頂けるか説明文書が手渡され治験に対する説明が詳しくなされます。
    患者さんは、その内容を十分理解し、治験に参加するかどうか患者さん自身が判断します。治験参加を決められたら、同意書にサインをして頂きますが、その場ですぐにされなくても、ご家族の方と相談されてからでも構いません。断られても、治療上不利益になることはありませんし、治験開始後いつでも治験を中止することが出来ます。

    <治験に参加することによっての一般的なメリット、デメリット> 

    >メリット

    * 治療法が無かったり、現在の薬で不十分な点がある場合に新しい治療方法を受けるチャンスとなる。
    * その病気に対して経験豊富な専門医師による診察を受けることができる。
    * 通常の診察や検査より、詳細な検査を受けることによって病気の状態を正確に知ることができる。
    * 診療に対する費用負担を軽減する措置を受けることができる。

    >デメリット

    * 未知の副作用が生じる可能性が否定できない。
    * 正確な服薬や来院が求められ、病気によっては日誌や記録を付けなければならない。
    * 外来通院の場合、治験に参加することで来院回数が増えることがある
    * 検査によっては通常より多くの時間がかかったり、採血量が増えたりする。

    これはあくまでも一般的なことですので、病気や患者さんの状況によって様々なメリットデメリットが考えられます。

    治験の主役はボランティアでご参加頂く患者さんです。「治験」は研究者や医師だけではできません。患者さんの協力が不可欠です。患者さんの協力によって得られる貴重な成績をもとに、国(厚生労働省)の厳格な審査を受け、承認されると新しい「医薬品」となり、多くの患者さんの治療に役立てることができます。現在、広く治療に使われている「医薬品」は全てこうした過去の患者さんの協力の元に生み出されたものです。そして、未来の患者さんによりよい医療を提供するためにも新しい「医薬品」の開発が必要とされています。「くすりの候補」を「医薬品」として誕生させるため、治験に参加頂けませんか。




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